2017.03.02 口内保育シクリッドの稚魚の育成 1

アフリカンシクリッド特にマラウィやヴィクトリアのハプロクロミスやムブナ等の稚魚の育成について書いております。

卵をくわえているPundamilia nyereryのメスの写真になります。概ね孵化後半年ほどで産卵に適した状態になってきます。


水槽のサイズさえ適していれば混泳水槽に於いても産卵は頻繁に行われますが、この手の魚の産卵はそのまま育児へと移行する事になります。


ここで問題になるのが、育児をしている間雌は殆ど餌をとることが出来ないということです。

全ての個体がそうと言うわけではなく、中には卵をくわえたまま器用に餌を食べる個体も見かけます。


そこでその手の魚の子をとるためには適当な頃合いを見て卵もしくは、稚魚を人の手で吐き出させる事になります。

勿論、雌を単独で飼育し子供が独り立ちするまで親に世話をさせても良いのですが、より確実に尚且つ雌の負担を減らすとなると吐かせることになります。


手法としては孵化前の卵を吐かせて人工孵化した稚魚を育成する方法と、孵化直後の稚魚を吐かせてそこから育成する方法があります。


上記の手法で後者の方がより簡単となります。前者は死卵の除去を怠ると水質の悪化が激しくたちまち全滅となる場合が多いです。


そのため、はじめての場合や手間を省きたい場合は後者のやり方がおすすめです。


下記で内容を説明しております。

稚魚 卵の吐かせ方

当店での手順を解説します。


※魚を増やす際は増やしたあとの管理やひきとりさき等の計画を立てて行ってください。


まずは、稚魚や卵を吐かせるタイミングについてです。


これに関しては遅ければ遅いほど吐かせたあとの処置が簡単になりますが、ある一定より遅い場合は雌への負担が大きくなるため、理想としては卵が孵化したら吐かせるくらいが理想だと思います。


目安を下記に提示しておきます。


水温25℃環境下の場合


⚫サタノペルカ ゲオファーガス等の南米産で卵がシクリッドに関しては3日~4日目


⚫マラウィやヴィクトリア等の卵が大きいシクリッドに関しては7日~10日


以上を目安に吐かせる支度をしておくと良いと思います。


吐かせる際に必要になるものとしては


1.親を一時的に確保するためのプラケースもしくはバケツ

2.親を捕獲するための網(なるべくスムーズに行えるように大きめのもの)

3.稚魚を育成するためのプラケースもしくは水槽、隔離ケース等

4.エアーストーン及び、エアーポンプ一式

5.スポイト、ピペット、ピンセット等



次に吐かせる手順です。


1.プラケースまたは、バケツに親魚のいる水槽の飼育水を適量いれる。

2.網で親魚を捕獲しバケツにいれる。

3.親魚を片手で掴むように持ちもう片方の手で口を開けて傾ける。

4.稚魚や卵が引っ掛かってで手来ない場合はピペットやスポイトで水を吹き掛け洗い流す。

5.親魚をもとの水槽もしくは養生できる水槽に戻す。

6.稚魚や卵に死んだものやゴミが混ざっている場合取り除く。

7.稚魚や卵を育成するケースに移す。この際卵や孵化したばかりで遊泳できない状態の場合はエアーで流れを作るようにする。


以上の流れになります。魚の持ち方は下記に写真を掲載しておきます。

記事の方が長くなったのでここで一旦区切ります。



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