2017.08.29 金魚すくいの金魚のトリートメント

少し遅いかも知れませんが、季節的に病気の魚を入手される機会が多いと思います。

導入前のトリートメントに関して以前も掲載した内容ですが、再度まとめておきました。


したの方に要約もあります。


※魚の治療に際しては自己責任で行ってください。

1.トリートメントに対する考え方

すでに病気にかかっている場合や、持ち込みうる病気及び、感染している可能性に対して予め対処することになりす。


夏場に流通する金魚で頻繁に見られる病気を下記に挙げておきます。

括弧内は病気の一般的な症状になります。


1.カラムナリス(鰓腐れ、尾腐れ)

2.エロモナス(穴あき)

3トリコディナ(白雲、鰓病)

4.ダクチロギルス(白雲、鰓病)※



概ね以上になります。これらの対策及び治療の手順をとることになります。


※高水温の時期になるため、4に関してはあまり見られないとは思いますが熱帯魚由来の単性類が混入した場合もありますし、夏に増えるタイプの単性類の種類もあります。


2.トリートメントの手順

上の項であげた病気それぞれに対処法をとることがトリートメントになりますが、危険性の低いものに対しては省略しても良いです。


カラムナリスとエロモナスに関しては感染していれば素人目にも分かりやすいです。


1.カラムナリス

カラムナリスは鰓病気腐れや尾腐れがよく見られる症状です。感染している場合魚の粘膜分泌が多くなり飼育水がやたらと泡立ったりします。鰓腐れの場合は鰓を開いてみると黄色っぽい付着物が鰓についているため寄生虫の鰓病とは区別できます。エルバージュエースやグリーンエフゴールド等のフラン剤がよく効きます。進行は非常に速いので疑わしい場合は導入前に薬浴をさせたはうが良いです。


2.エロモナス

エロモナスの症状で穴あきが見られら場合は鑑賞魚用の薬品ではオキソリン酸系の抗菌剤がもっとも効果的とされます。しかしながら、見た目でわかる病気なので敢えて感染しているものを持ち帰らない限りトリートメントで予防をする必要はないと考えられます。 


3.トリコディナ

恐らくこの病気が一番多いと思います。

原虫のなかでは比較的高水温で活性化します。症状は見た目では解りづらいですが、主に粘膜の異常と鰓病の症状が出ますが、解りづらいです。進行すると粘膜がなくなり艶がなく鰓が開いた状態になります。進行もはやいため、予め対処すべき病気になります。

一般的な治療方としてはメチレンブルーやマラカイトグリーンが勧められますが、高水温の時期には色素系の薬剤は毒性が上がり危険な上即効性に欠けます。

お勧めの方法としては、鮭や鱒の養殖で取り入れられているPH調整の短時間浴です。

クエン酸や食酢等でPHを4.5に調整した水に1時間いれておき、そのあと通常の水に入れます。手遅れになるくらい弱ってしまっている場合耐えられない場合もある為、万能ではありませんが、効果は色素系の薬剤とくらべるとかなり高いです。


4.ダクチロギルス

個人的に夏に見たことはないため夏の治療経験はありません。一般的にはトリクロルホンが推されていますが、即効性に欠け効かない場合もあります。

目視で確認できるレベルの場合即効性が求められる為、オキシドールを用いて落とす方が速いです。海産養殖で用いられています。

2リットルに対してオキシドール5cc程度で30分間薬浴になります。目に見えて落ちていきます。途中で魚の動きがおかしくなった場合は中断して下さい。





以上がそれぞれの対処法になります。白点病や他の原虫の病気は高水温ではあまり聞かないので無理に意識する必要はないと思います。


発症している場合は上記の全てが危険ですが、症状が見受けられない場合は1と3だけを押さえた方法になります。


その後に秋以降に持ち越さないための処置で0.5%の塩水浴になります。



3.要約

長々と書いたので読むのが面倒な人のためにざっくりまとめます。


目にみえる異常がある場合は上の項目の治療法をとる。


異常がない場合は

クエン酸や食酢でPH4.5に調整した更水に1時間魚を浸ける。

この際に動きがおかしい場合は通常の更水に動かすことで戻ります。

その後エアレーションのついた水槽やバケツでエルバージュを規定量と濃度が0.5%になるように塩を入れたもので24時間の薬浴。

24時間の薬浴の後は更水に塩のみ上記と同じ量いれて1週間様子を見る。

この間餌は通常通り与える。



以上の手順になります。


慣れてきたら不必要な手順は省いても良いと思います。


尚ヘルペスに関しては二次的な被害を防ぐためのトリートメントは不可能と見て良いと思います。現在一般に流通しているものはほとんどが免疫を獲得している印象ですが、一般に流通していない種類に関しては免疫のないものもあると思います。らんちゅうやその他高価な金魚を飼育されている場合は何でもかんでも混ぜるのは控えましょう。



金魚の治療法がわからない場合は、こちらで知っている限りのことはご説明致しますので、お気軽にご相談ください。