2017.10.14 海水魚のブルックリネラ症

気温の変化が大きく病気の出やすい季節になりました。

近海での採集をある程度やっていたためか、問屋側で蔓延しているのかわかりませんが、ブルックリネラ症と思われる症状が出たので画像と治療の経過を掲載しておきます。

2サイクル目になりますが、再びアズファーにでました。


一般的な白点病Cryptocarion irritansと比べると点の周りに粘膜の塊が目立ちます。進行は極めて速く重症になってからの処置では間に合わない場合がありそうです。


上の写真の状態でデルフィスの銅イオンで薬浴をはじめて1日経過したところです。

0.15ppmまで濃度が落ちておりその時点では症状が進行していたので、測定後に銅イオンの濃度を0.35ppm程度まであげました。


その後24時間経過で上の写真の状態です。見た目はあまりかわりませんが、粘膜の塊がやや治まった上に魚の呼吸も安定しました。

銅イオンの濃度は0.2ppmまで下がっているので0.3を目安に再度点滴で追加しておく予定です。



銅イオンは使用を誤らなければ安全に海水魚の原虫の駆除を行うことができます。


※銅イオンの濃度は0.2ppmを越えると代謝の速いチョウチョウウオ類や小型ヤッコ類にショック症状が現れる場合があります。


※一般的には硫酸銅を用いた場合0.2ppmで2週間かけて治療するのがセオリーとされており、これ以上の濃度は魚への負担が大きいとされています。




治療の経過はなるべく追記しておきます。

※10月15日追記

体表の粘膜の塊はかなり軽減されました。白点症状もほぼみうけられなくなり下の写真のようにもやがかかっただけの状態になっております。

痒がる仕草もなくなり餌食いも通常通りになっております。


銅イオンの濃度は0.2ppm程度になっております。水かえもしていないので銅イオンの追加はせずに経過を観察していきます。


体表の原虫はほぼ死滅したと見えますが前回1週間程度で再発したため恐らく休眠状態のシストが形成されていた可能性があります。銅イオンの濃度をキープして1週間ほど経過を見ていきます。

※10月16日追記


粘膜の異常はかなり分かりづらくなりましたが、まだ見受けられます。銅イオンの濃度がやや高すぎるようで他の魚に負担が来ているので一部の魚を避難させました。



真横からではほぼわかりませんが、まだ肌が荒れています。