水槽内での有機酸の働き

前回の硬度関係とは別で水槽内での有機酸の働きについてまとめてありますが、前回よりも文体が整っておりません。

物の考え方の一つとして、断片的にでも役立つ情報が有るかもしれませんので、興味のある方はご覧下さい。

水槽内に於ける濾過の反応として主にアンモニアが硝酸塩となり蓄積することでPH低下を招き、それを回復させるために水替えを行うというのが通説となっている。


その他に餌から入るリン酸や添加材から硫酸イオンや塩化物イオン等もPHの低下の要因となる。


その他に水槽内のPHを低下させる要因として前述の無機酸以外に有機酸があり、所謂こなれた水にはこちらが大きく関係していると思われる。


一般に酸には静菌作用や殺菌作用等の菌や原生動物の繁殖を抑える作用があり、それらの作用は無機酸よりも有機酸の方が大きいという情報がある。


また有機酸の種類によっては複数を組み合わせることでそれらの作用をより強くすることが、可能という情報も見かけられ、酢酸やピルビン酸等の有機酸を用いた養殖魚の寄生虫の防除にも用いられている。


またそれらの殺菌的な作用は一般にPHが低い場合に強くなる傾向があり、水槽内で複数の有機酸が自然に形成され、その上で硝酸塩によるPHの低下が起これば水槽内の有機酸が細菌の繁殖を抑える様に働くようになる。

これが所謂こなれた水の正体ではないかと考えている。

その為、著しくPHの低下した水槽を水道水で水替えを行うと上記の作用が弱まり細菌や原生動物が繁殖することにより水が白濁するのではないかと考えられる。



その他に水槽内で発生しやすいものとしては腐植酸の類いが主に挙げられる。キレート作用を持つフミン酸やフルボ酸があり、金属イオンをキレート化することにより見かけ上の硬度を落とすこともできる。


また、酸のもつキレート作用は一部の細菌に対して静菌もしくは殺菌的に働く場合もあり、例えばEDTAは連鎖球菌の株によっては繁殖を抑える作用がある。


一方で有機酸は硝酸塩を分解する際の炭素源ともなりうる為、意図的に干渉作用を持たせるためにピートモスや流木からフミン酸を用いることも可能となる。逆に意図しない場合に於いて流木や所謂マジックリーフ等をいれることでPHが上昇する場合も有り得る。